(高松一真)





高1の冬。


「私、一真が好きになってた。いつのまにか」
と、告白された。

相手は…俺の初恋の相手、早紀さんだった。

早紀さんは1つ上で冬樹の義姉さん。
中学では女子バスケ部のキャプテンをやっていた。俺がバスケをはじめたきっかけも早紀さんだった。
早紀さんたちが引っ越して来てから近所で。


そんな早紀さんのことは小学生の時から好きだった。

でも…早紀さんは宙夢先輩と付き合っていたんだ。
先輩の中学卒業までは。
宙夢先輩の事情で別れることになったらしい。





そんなこともあって今は他に好きな人がいる。

…七田美幸。

同じクラスで、隣の席で。部活で仲良くなった遼太と同じ中学だったということで仲良くなった。

今は七田が好きなんだ。
でもそれは遼太も一緒。だからこれは誰も知らない。




でもこの状況はどうしたらいいんだ。

とりあえず「保留にしときます」とは言った。今すぐは答えが出ない。

自分の気持ちに迷いがあると…嫌だな。




「冬樹…どうしたらいいんだ…」
「え、どうしたらって…」
「早紀さんに告られた」
「…は?」

今は下校中。お互い部活終わった時間が同じだったから。


「一真お前、初恋なんだろ?」
「そこなんだよ…。早紀さんは宙夢先輩との経験もあるし、それに…」
「それに?」
「ああ、もう、…俺今好きな人いるんだよ。同じクラスに」
「好きな人いたのかよお前。誰さ」
「吹奏楽部の七田。でも遼太もな…あいつのこと…」
「それで自分の気持ちがよくわからないのか。」
「うん。」

本当、どうしたらいいんだ。

「とりあえず七田って奴に告白してみろよ。そこで自分の気持ち整理しな」
「…そうだな」


というわけで次の日の放課後。丁度日直で居残りだった。

日誌を書き終わった時。


「ちょっと聞いてくれ。俺は七田が好き。以上」
「え…?」
「別に付き合いたいとかじゃなくて、自分の気持ち整理したくて言っただけ。」
「や、私NOとは言ってないよ…」
「yesって言うの?」
「yesとも言ってない」
「俺今、初恋の相手に告白されていて。…七田のいとこの宙夢先輩の元カノ…早紀さんに。」
「早紀先輩…に?」
「うん。断るつもりだけど。」
「え、じゃあなんで私と…」
「…じゃあキスしていい?」
「は?なんで…そうな…」

チュッ

キスをしてしまった。


「…今は俺、誰とも付き合わないつもりだからさ。それにお前ファーストキスじゃないだろ」
「何で知ってんの…」
「宙夢先輩に聞いた。以上」
「…でもありがとね。…早紀先輩振るのはもったいないよ」
「うん。わかってる。」








結果、俺は早紀さんを振った。
後悔?…どうだろうね。
今は好きじゃないっていうのもあるし。

自分の気持ちって難しいな。

スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。