(水瀬杏里)
高2の時のあの一件。
私のお父さんが谷川家を荒らし、おまけに当時の好きな人、政樹がナイフで刺されるという…。
現場にはいなかったんだけど、裕也や恵介から聞いたら残酷なもので。
あれ以来、私は裕也と頻繁に連絡をとるようになった。
というか、教えてもらったから。
やりとりは、相談ばかりだった。今の父親のこと。今の家族環境のこと。
正直、水瀬家は好きじゃない。
谷川家に戻りたい。
あの頃に戻りたい。
3年になったばかりの時に、裕也に3冊ほどのアルバムを渡された。
「掃除してたら父さんが見つけたから、杏里に渡せって言われた」
「あ、ありがとう…。」
赤ちゃんの時の私たちや、幼稚園、小学生でのこと…。
ちなみに小5まではこの町にはいなかった。
「かわいー!」
「これ、杏里と裕也の小さい頃の??」
「二人はこうして見たら似てるねー」
と、香苗、絵美、梨夏に言われた。
「と、とりあえずしまえ!」
裕也が顔を赤くして言う。
この日は教室は裕也の小さい頃の話ばかり持ち出されていた。
こう思うと、数年前まで家族だった。そして血が繋がっている、とは思えないな。
2週間後。
今日は土曜日だから部活で、夕方まで競技場。
競技場は第四中のあたりにあるから、遠い。
自転車で帰り、家に着いたのは夜の7時半だった。
あと、誠太と喋りながら帰ってた、というのもあるし。
部屋にはいると…
裕也からもらったアルバムの写真が散らばってて、ビリビリに破られていた。
「なに…これ…」
私はすぐに裕也に電話で報告した。
「ど、どうしよう…写真びりびりにされた…」
『は?』
「どうしよう…誰がやったんだろう…」
『とにかく親に聞いてみれば?多分やりそうだし。』
「そ、うだね…ってあ!!」
携帯を、母親に取られた。
そして母親は裕也に言う。
「久しぶりね、裕也。この写真…あなたが杏里に渡したの?」
『え、あ、うん、そう…ですけど…』
「過去のことなんてもう忘れなさい。裕也、それに杏里もね。」
そう言って電話を切る。
「過去のものは全て処分よ。」
そう言われて、過去のものは全部捨てられた。
高2の時のあの一件。
私のお父さんが谷川家を荒らし、おまけに当時の好きな人、政樹がナイフで刺されるという…。
現場にはいなかったんだけど、裕也や恵介から聞いたら残酷なもので。
あれ以来、私は裕也と頻繁に連絡をとるようになった。
というか、教えてもらったから。
やりとりは、相談ばかりだった。今の父親のこと。今の家族環境のこと。
正直、水瀬家は好きじゃない。
谷川家に戻りたい。
あの頃に戻りたい。
3年になったばかりの時に、裕也に3冊ほどのアルバムを渡された。
「掃除してたら父さんが見つけたから、杏里に渡せって言われた」
「あ、ありがとう…。」
赤ちゃんの時の私たちや、幼稚園、小学生でのこと…。
ちなみに小5まではこの町にはいなかった。
「かわいー!」
「これ、杏里と裕也の小さい頃の??」
「二人はこうして見たら似てるねー」
と、香苗、絵美、梨夏に言われた。
「と、とりあえずしまえ!」
裕也が顔を赤くして言う。
この日は教室は裕也の小さい頃の話ばかり持ち出されていた。
こう思うと、数年前まで家族だった。そして血が繋がっている、とは思えないな。
2週間後。
今日は土曜日だから部活で、夕方まで競技場。
競技場は第四中のあたりにあるから、遠い。
自転車で帰り、家に着いたのは夜の7時半だった。
あと、誠太と喋りながら帰ってた、というのもあるし。
部屋にはいると…
裕也からもらったアルバムの写真が散らばってて、ビリビリに破られていた。
「なに…これ…」
私はすぐに裕也に電話で報告した。
「ど、どうしよう…写真びりびりにされた…」
『は?』
「どうしよう…誰がやったんだろう…」
『とにかく親に聞いてみれば?多分やりそうだし。』
「そ、うだね…ってあ!!」
携帯を、母親に取られた。
そして母親は裕也に言う。
「久しぶりね、裕也。この写真…あなたが杏里に渡したの?」
『え、あ、うん、そう…ですけど…』
「過去のことなんてもう忘れなさい。裕也、それに杏里もね。」
そう言って電話を切る。
「過去のものは全て処分よ。」
そう言われて、過去のものは全部捨てられた。
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